06 Miscellaneous

  • 06 Miscellaneous

    ポートランドのドーナツ屋さん

    先日、研修でアメリカのメイン州ポートランドへ行く機会がありました。 私はアメリカ本土へ初めて上陸しましたが、北に位置するメイン州は私の地元北海道と似た気候で自然が美しく、その中心都市であるポートランドはアメリカ建国の歴史を感じさせる美しい街並みの素敵なところでした。面白いことがたくさんありましたのでおいおい書いていこうと思います。 さて、泊まったホテルの近くにおいしいドーナツ屋さんがあるよと教えてくれた人がいました。なんでもドー(生地)にイモを使っているとか。ジャガイモ好きの道産子としては絶対においしいっしょと直感しました。ホーリードーナツ( The Holy Donut )という地元で大変な人気のドーナツ屋さんで、メイン州に数店舗あるそうです。私が行った コマーシャル・ストリート店は7時開店ということだったのでホテルの朝食前に行ってみましたが、すでに地元民と観光客がズラリと並んでいました。 この人気のドーナツは2010年にリー・ケリス(Leigh Kellis)さんという女性のキッチンからスタートしたそうです。地元の食材であるメイン州のジャガイモを使ったドーナツは、最初地元のコーヒーショップで販売されましたが、すぐに評判となり注文が殺到するようになったそうです。 店内に入るとTシャツやキャップ、コーヒーなどのオリジナルグッズもありました。ドーナツは種類が多くて(どれもおいしそう!)迷いましたが、朝食前だったので一つだけ、ブルーベリーレモンを選びました。これが大正解でコーヒーとの相性抜群でした。甘さも油も控えめで食材もしっかり感じられます。こういうドーナツが北海道にもあったらいいなと思いました。北海道のジャガイモや食材ならいけるでしょ! コマーシャル・ストリート店は店内に座る場所が少ししか無いので近くの公園で食べました。公園にはなぜか日本の赤ポストが2つ。東京の品川区とポートランドは姉妹都市提携をしているらしく、ポートランド市の旧郵便局跡地を公演とする際に品川区から贈られたものだそうです。

  • 06 Miscellaneous

    Sly & The Family Stone そして Rose Stone の思い出

    もうかれこれ40年ほど前でしょうか。新聞配達の給料で ”Woodstock” のサントラ盤を買い、数多くの60年代のアーティストに夢中となりました。その中でも Sly & The Family Stone はジミヘンやジョー・コッカーとはまた違った光をはなっていました。NHK-FM の「サウンドストリート」ではじめて聴いた “Family Affair” 。その時のホストは渋谷陽一さんだったか、山下達郎さんだったか、または佐野元春さんだったか忘れてしまいましたが、そのドライでクールなサウンドの虜となりました。 上京してからは下北沢の輸入レコード屋さん FLASH に通い Sly のレコードを買い集めました。 “There’s A Riot Goin’ On” などは擦り切れるほど聴きました。60年代後半、Sly Stone の音楽はロック、ジャズなどジャンルを超えて多くのアーティストに大きな影響を与えました。しかし70年代以降、過度のドラッグにより表舞台から消えてしまいました。そういえば1989年に出版されたマイルス・デイヴィスの自伝 “Miles – The Autobiography” にもそのあたりのことが書かれていました。YouTube では2000年代の Sly のパフォーマンスを見ることができます。ファンとしては年老いた姿に哀愁が感じられ目頭がアツくなりますが、その音楽は相変わらずかっこよいです。 Montreux 2007 の “Family Affair” でヴォーカルをとっている Lisa はSly の妹 Rose Stone(The Family Stone のヴォーカルでキーボーディスト) の娘さんです。 Rose Stone といえば、私は個人的な思い出があります。 14,5年前のことですが、仕事で函館へ行ったときのことです。自宅から函館までは車で6時間以上かかります。連泊が必要な仕事だったので、リーズナブルでこじんまりとしたホテルに部屋をとっていました。すると、信じられないことにそのホテルに Rose Stone が泊まっていたのです。フロントのスタッフが、外国人団体客の名簿をカタカナで手書きしてフロントの台の上に貼り付けていたのですが、チェックインのときにその名簿にある「ローズ・ストーン」の文字が目に入ったのです。まさかと思いましたが、調べてみると、その週末に函館でゴスペルコンサートがあり、Rose Stone が所属するクワイアが来日していたことが分かりました。 昼間の仕事を終えると私はまっすぐホテルに戻って本当に Rose Stone が現れるだろうかとドキドキしていました。小さなホテルで、部屋にはテレビも無く、寝る以外には使えないようなところでした。なので、寝るまでの時間、宿泊客はほとんど皆、小さなロビーの大型丸テーブルのところに集まります。私もその丸テーブルについて本を読んでいました。 しばらくするとリハーサルを終えてきたのでしょうか、クワイアのメンバーがどやどやとホテルに戻ってきました。歌手と思われるおばさんたち、バンドマンまたはスタッフと思われる人たち。その中に Rose Stone がいました。スーパースターがなぜ私と同じ安ホテルに泊まっているのか、すごく不思議な感じでした。 Rose Stone も含めクワイアの人たちは外へ飲みに行くでもなく、ロビーの丸テーブルに一緒について、静かにおしゃべりをしたりしていました。私は Rose Stone に話したいこと・聞きたいことが山程ありました。子どものころから Sly & The Family Stone の大ファンです。お兄さん(Sly Stone – 本名 Sylvester Stewart)はお元気ですか。まだ音楽活動をしているのですか。あのかっこいいファンクミュージックはどのようにして生まれたのですか。日本にもまだまだたくさんのファンがいることをファミリーストーンのメンバーの方々に伝えてください。などなど。 私は目の前で座っている Rose Stone に話しかけることができませんでした。コンサート前の練習で疲れているだろうと遠慮したこともありますが、一番の理由は上手に話しかける自信が無かったこと。英語が使えなかったことです。もしあの時、英語が話せていたら、ファミリーストーンの面白い話を生で聞けたかもしれない。千載一遇のチャンスを逃してしまいました。この経験は、私が英語の勉強を続けている理由のひとつになっています。 こちらの動画はプリンスによるカバーです。かっこ良すぎます。フルの音源はないのだろうか。あれば是非聴きたいです!

  • 06 Miscellaneous

    Khruangbin

    Khruangbin(クルアンビン)はテキサス州ヒューストン出身のバンドです。様々なワールドミュージックの要素がつまった魅惑的な(ちょっと怪しげな)ファンクサウンドがくせになります。ベースのローラ・リー・オチョア(リージー)、ギターのマーク・スピア、ドラムスのドナルド・”DJ”・ジョンソン・ジュニアのたった3人とは思えないほど厚みのある音。YouTubeにアップされているインタビュー動画によると、マーク・スピアとDJ・ジョンソンはヒューストンの教会で一緒に演奏していたそうで、後にマークが友達を通じて出会ったリージーにベースを勧め Khruangbin が誕生したそうです。 わたしは趣味でドラムを叩くのですが、DJのドラムは個人的にドハマリです。あまり派手な印象はありませんが、タイトでかっこいいです。キーボードの演奏もしっとりと聴かせます。YouTube には Khruangbin のライブ映像がたくさんアップされています。次の来日公演は札幌まで来てほしい!

  • 06 Miscellaneous

    Billie Holiday, Lady Day ビリー・ホリディ

    ビリー・ホリディ Billie Holiday(1915-1959)はフィラデルフィア出身のジャズ・シンガーです。リンク先のオフィシャルサイトでは、バイオグラフィーや曲のサンプル、歌詞、各種メディアを見ることができます。 初めて彼女の歌を聴いたのは子どもの頃、地元にいたヒッピー(死語?)くずれのレコード屋さんの店長にレコードを聴かせてもらったときでした。その時はジャズのことはよく知りませんでしたが、独特な歌声に魅了されたものでした。 “God Bless The Child” は代表曲の一つで、数多くのアーティストにカバーされてきました。曲調がゴスペルっぽくていい感じです。私はアニタ・オディ Anita O’Day のしっとりした感じのバージョンも好きですが。”God bless the child that’s got his own.” 「神様は自分で稼ぐ子を祝福してくださる」という歌詞は、ビリーが母親にお金を借りに行った時にケンカとなり、母親から言われた言葉だそうです。 購読している The Japan Times Alpha 2/4号の Life & Culture シネマ倶楽部ページで映画 “The United States vs. Billie Holiday” (リンクは映画のトレイラーです)をとりあげてくれています(ありがとう Alpha! )。早く映画が観たい! この映画の中心とも言える曲のタイトル「奇妙な果実」 Strange Fruit とは、リンチを受けて殺害され、木に吊るされたアフリカ系アメリカ人たちのことを歌っているのです。この曲が人種差別に対するプロテスト・ソングであるとして彼女はFBIに危険視されます。 ちょっと話が逸れますが、名曲 “A Change Is Gonna Come” のリリース直前に謎の銃弾に倒れた「ソウルの帝王」サム・クック Sam Cooke や、 “Power To The People”, “Imagine” のジョン・レノン John Lennon (熱狂的ファンによって射殺されてしまった)など、広く社会変革を訴えたアーティストたちもFBIの監視対象になっていたという話を何かで読みました。”A Change Is Gonna Come” ビリーじゃありませんが、こちらも名曲なので動画を貼ってしまいました。 これを機会にビリー・ホリディをまた聴き直したくなりました。できるだけ歌詞をしっかりと聴いて彼女の生きた時代を想像しながら。 下のアマゾンのリンクは私が持っているCD3枚組 The Ultimate Collection です。オリジナル・アルバム8枚分が収められています(数曲カットされています)。私が買ったときよりも値段が上がってしまいました(それでもアルバムをそろえるよりずっと安いですが)。個人的なおすすめはディスク3に収められているアルバム “Lady Sings The Blues” です。 お読みいただきありがとうございました。

  • 06 Miscellaneous

    NPR Tiny Desk Concerts

    NPR ( National Public Radio ) はアメリカの非営利の放送ネットワークです。本部はワシントンD.C.にあります。ニュースや音楽などさまざまな内容を配信しています。 NPR ( National Public Radio ) is an American non-profit broadcasting network. The headquarters are located in Washington, D.C. and it provides a variety of content, including news and music. NPR is an independent, nonprofit media organization that was founded on a mission to create a more informed public. Every day, NPR connects with millions of Americans on the air, online, and in person to explore the news, ideas, and what it means to be human. Through its network of member stations, NPR makes local stories national, national stories local, and global stories personal. About NPR より NPRのプログラムの一つに tiny desk concerts という素晴らしい音楽番組があります。 “Tiny…

  • 06 Miscellaneous

    初カプセルホテル  Capsule Hotel For The First Time

    成田空港で人生初のカプセルホテルを体験した。 泊まったのは 9h hours ナインアワーズ。 第2ターミナルに直結しているので、場所も分かりやすく大変便利である。 入り口からすぐに受け付け、正面向かって右が女性用、左が男性用となっていた。 受付で予約の確認の後、バッグに入ったお泊りグッズ一式を渡される。中にはスリッパ、寝間着、バスタオル、フェイスタオル、ハンドタオル、歯ブラシ、ひげ剃り、櫛が入っている。チェックアウトのときに、入れ物と寝間着を受付で返却するように指示される。Wi-Fiの番号を記載した注意書きの紙一枚とロッカーの鍵を受け取り、ロッカールームへ。 ロッカールームで着替え、荷物をロッカーに入れ、スマホとお泊りグッズのみを持ってカプセルのあるエリアへ。 写真で見ていた通りの風景におおっと思う。なぜか蜂の巣を連想。当然だが、このエリアでは音を立てないように気をつけながら過ごす。飲食は禁止。 カプセル内は小ぎれいな感じ。室内照明の調節とスマホの充電口がひとつある。静かに本を読んで寝るしかない。 タオルを持ってシャワールームへ。シャワー室は清潔な感じ。しかしその後手持ち無沙汰になり、お茶でも飲むかと外出した。 しかし、コロナの影響で、8時過ぎの時点で店はほとんど閉まっていた。第2ターミナルで空いているのは、4階のセブンイレブンと2階の吉野家のみ。仕方なくカプセルに戻った。 このホテルのコンセプトがもともと、シャワー1時間、休憩7時間、身支度1時間の合計9時間と設定されている。そしてまさにその通りのことしかできない。カプセルホテルにそれ以外のことを求めてはいけないか。 翌朝、早めにチェックアウトした。受付で鍵と入れ物に入れた寝間着を手渡すと受付の女の子から「以上です」の一言。「ありがとう」くらい言ってもいいじゃないのと思ったが、こんなものなのかな。少し寂しい。次回は少々高くても普通のホテルに泊まろうと思った。

  • 06 Miscellaneous

    嶋村俊表 Shimamura Shumpyo

    試験のために上京したのだが、格安航空券のJetStarの発着が成田だったため、成田で一泊し、帰りの飛行機まで少し時間があったので、せっかくなので成田山新勝寺をお参りした。 朝、登校中の小学生たちと一緒に趣のある参詣道を歩いて、天気もよく気持ちが良かった。成田山新勝寺は初めてだったが、さすがの名刹。荘厳な総門をくぐり、仁王門(重文)には金剛力士、急峻な階段を登ると大本堂が。香閣で体を清め、お不動さまにお参り。右手の三重塔(重文)が美しい。 境内には、釈迦堂、光明堂、額堂など重要文化財の宝庫で、その他、松平定信の筆による額が付けられた一切経堂や出世稲荷など、見どころ満載である。 のんびりとお参りしていると、出勤前の地元民と思われる方々が時折お参りに来られる。皆、礼儀正しく、規則正しく、無駄なく廻られている。きっと毎朝来ているのだろうと思う。 私は釈迦堂の周囲にほどこされている五百羅漢や二十四孝の彫刻に釘付けになった。説明によると作者は嶋村俊表(しまむらしゅんぴょう)。江戸時代の名工嶋村家の八代目である。1857年作。見れば見るほど見事な作品で、私はなぜか、昔パリのロダン美術館で「地獄の門」 La Porte de L’Enfer を見たときの衝撃を思い出した(ブロンズのレプリカが国立西洋美術館に置いてある)。 帰ってきてから調べると、嶋村俊表の代表作は田無神社本殿。また、川越氷川神社本殿も手掛けている。いつか見に行ってみたい。 今回、二次口述試験はうまくいかなかったが、偶然、嶋村俊表という魅力的な芸術家(というか名工)を知ることができた。また上京する楽しみができたというものだ。

  • 06 Miscellaneous

    Infinity Song

    最近のお気に入りのバンド Infinity Song です。YouTubeにアップされているビージーズ Bee Gees のカバー “How Deep Is Your Love “ を聴いてファンになりました。 ROC Nation Recordsのサイトによると、Infinity Song はニューヨークを拠点に活動する sibling (男女混在の兄弟)のバンドでメンバーは Victory, Abraham, and Angel Boyd、後にIsrael とThalia “Momo” Boydが加わり5人編成になりました。両親もミュージシャンで(父親はJohn Boyd)音楽に囲まれて育ったようです。2014年にグループを結成、セントラルパークや地下鉄駅で活動していました。翌年に最初のEPをリリースして2016年にJayZのRoc Nation Recordsと契約。2020年にデビュー・アルバムの “Mad Love” がリリースされました。 北海道はもう雪が降って朝夕は氷が張りました。仕事と勉強で毎日疲れますが、彼らの歌声に癒やされて頑張ろうと思います。 My recent favorite band, Infinity Song. I became a fan after listening to the Bee Gees cover “How Deep Is Your Love” posted on YouTube. According to the ROC Nation Records site, Infinity Song is a New York-based sibling band with five members, including Victory, Abraham, and Angel Boyd, and later Israel and Thalia “Momo” Boyd. Their parents are also musicians (father is John Boyd) and they grew up surrounded by music. They formed a…

  • 06 Miscellaneous

    神保町とミロンガ Jimbocho and Milonga

    神保町は私の学生時代のプレイグラウンドだった。通っていた学校がお茶の水にあったから、毎日のように古書店街を散策しては気に入った古本をどっさりと買って喫茶店で読むのが楽しみだった。東京には好きな喫茶店が数軒あったが、中でも一番のお気に入りがミロンガだった。 店内にはいつもタンゴがかかっている。品の良い年配の女性が注文を取りに来て、私はたいていコーヒー、時折、軽食を頼んだ。店にはいつもほどよく人が入っていて、とても居心地が良く、買ってきた古本を読みながらたいてい2,3時間を過ごしたものだ。後で知ったのだが、ミロンガとはタンゴのダンススタイルを表す言葉らしい。たまに店の女性がレコードコンサートをやるからよかったら来てねと誘ってくれたりした。 最後にミロンガを訪れたのはすでに10数年前のこと。出張で上京した際に古い友人たちと神保町へ行き、その時はミロンガで世界のビールをたくさん飲んだ。楽しい時間だった。 来月、全国通訳案内士の二次口述試験で久しぶりに上京する。時間があればまたミロンガに行ってみたい。変わらずタンゴが流れているだろうか。 Jimbocho was my school playground. The school I attended was in Ochanomizu, so I was looking forward to strolling around the old bookstores every day, buying a lot of used books I liked, and reading them at the coffee shop. I had several favorite coffee shops in Tokyo, but my most favorite was Milonga. There were always tango in there. A good old lady came to pick up my order and I usually asked for coffee, and occasionally light meals. The shop was as crowded as usual, very cozy, and I usually spent a couple of hours reading the used books I bought. As I learned…

  • 06 Miscellaneous

    アパートの鍵貸します The Apartment

    ビリー・ワイルダー監督の傑作映画。1960年、作品賞・監督賞などアカデミー賞を5部門受賞しました。 主演は名優ジャック・レモン(役名C.C.バクスター)とシャーリー・マクレーン(役名キューブリックさん)です。 この映画を初めてみたのは、もう40年近く前のこと。私は田舎育ちで近くに映画館がなかったのですが、NHK教育テレビで「世界名画劇場」という番組があり、そこで毎月放映される名画を楽しみにしていました。「アパートの鍵貸します」(The Apartment)もビデオ(ソニーのベータ!)に録画しました。 白黒映画ですし派手なアクションがあるわけではありませんが、軽快な音楽となによりジャック・レモンのセリフ回しの軽快なテンポ、シャーリー・マクレーンの可愛らしさにぐいぐい引き込まれて、笑いあり、ペーソスありで、「これぞ映画だ」と時間を忘れ見入った記憶があります。 以来、何度も何度も見たくなり、ビデオテープがだめになるくらい見ました。その後、働くようになってからは給料で和田誠さんのイラストと文章がついたレーザーディスクを購入しました。レーザーディスクがだめになってからはDVDで買い直し、今もたまに見ています。90年代にマッキントッシュを購入してインターネットが利用できるようになり、スクリプトも簡単に閲覧できるようになりました。(私にとってインターネット最大の効用は、歌詞と映画のスクリプトを確認できるようになったことかもしれません!) ストーリーは単純です。一流の保険会社に就職した社員(バクスター)は自分のアパートを上司の情事に利用されているうちに出世していくのだが、、、。結構、安いソープオペラみたいな感じですが、こんな名画に仕上がっているのは、監督と脚本の力なのでしょう。 10数年前に James Liptonが司会をつとめるActor’s Studio Interviewという番組に(こちらもすばらしいシリーズ番組でした)ジャック・レモンが登場しました。ハーバード大卒の秀才で、おもしろおかしいコメディアンというイメージを持っていましたが、アルコール依存症と闘っているとカミングアウトした場面がありしんみりとしてしまいました。 『アパートの鍵貸します』には洒落たセリフがたくさんでてきます。例えば自殺未遂のキューブリックさん(バクスターは彼女にずっと片思い。でも上司の愛人という設定)を看病しながら励ますセリフ。 You know, I used to live like Robinson Crusoe; I mean, shipwrecked among 8 million people. And then one day I saw a footprint in the sand, and there you were. ねえ、オレ、ロビンソン・クルーソー(無人島暮らしの話の主人公)みたいな暮らしをしていたんだ。つまり800万人の海で難破して(当時のニューヨークの人口)。でもねある日、砂浜に人の足跡があるのを見つけた。そうして君と出会ったんだ。 絶望しているキューブリックさんに、恋の相手があなたみたいな人だったら良かったと言われて苦し紛れに言うセリフ。 That’s the way it crumbles…cookie-wise. うまく訳せないのですが「世の中そんなものさ。ほらクッキーのやつみたいな。」 このセリフの裏には、That’s the way cookie crumbles. という慣用表現があって、何か悪いことが起こったときに「クッキーはそんな風にくだけてだめになるじゃん」→「世の中そんなもんだよ(嘆いてもしょうがないさ)」のような意味らしいです。 ジャック・レモンはこの映画の中で -wise言葉を多用していて、独特のリズムを生み出しています。意味は「〜的な」「〜みたいな」みたいな感じでしょうか。もしかしたら当時の若者言葉を揶揄しているのかもしれません。 DVDとBluerayのAmazonへのリンクです。

  • 06 Miscellaneous

    Remembering Mr. The Destroyer ザ・デストロイヤーさんの思い出

    His real name is Richard Beyer, and his official ring name was The Intelligent Sensational Destroyer. Even if you are not a professional wrestling fan, you may have heard of his name The Destroyer if you are in my generation or have at least seen him with the mask on TV shows, and you may also know his Figure-Four Leglock. He was one of the most popular professional wrestlers from overseas. I don’t remember the exact date, but it was some 45 years ago, he suddenly appeared at the elementary school where I studied. It was all too sudden. It was after school, no different from any other day. I was…