表現力向上のための素晴らしい英文法書
『表現のための実践ロイヤル英文法』(綿貫陽、マーク・ピーターセン共著、旺文社)です。
はしがきに「本書は、高校生程度以上の学生、教師および一般社会人の英語学習者を対象として、自分の考えや事実を、英語で正しく表現できるようにすることを目的とした学習書である。」とあり、「基本的で正確な文法力で正しい英文を構築する」という発想のもとに編集されています。そしてその言葉の通り、随所に表現の微妙なニュアンスの違いなどが豊富な例文で分かりやすく示されています。特に Helpful Hint という128もあるコラムが秀逸で、様々な英語表現の理解を助けてくれます。
私は本書を一度隅から隅まで通読し、何か疑問点や調べたいことがあるときにはその都度参照するという使い方をしています。本書には『英作文のための暗記用例文300』という小冊子が別冊で付いていて、表現力アップの役に立ちます。他にも文法書は Cambridge の Grammer in Use を使っていますが、両方とも素晴らしい学習本で、周りの学習者にも勧めています。
ところで、本書の著者の1人であるマーク・ピーターセン先生には、学生時代に英語の授業でお世話になったことがあります。温厚なお人柄に加え、いつも熱意あふれる授業をされていて、学生に人気の講義でした。岩波新書から名著『日本人の英語』を出された時もすぐに購入し拝読しました。当時、受験英語しか知らなかった私にとって冠詞というものをすっきりと説明してくれた本は、私の知っている範囲では、あの本が初めてだったと思います。
追記として、『表現のための実践ロイヤル英文法』にはシリーズとして刊行された『表現のための実践ロイヤル英作文法問題演習』(こちらは村上春樹さんも紹介されていました)、『ピーターセンの英文ライティング特別講義40』があります。