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全国通訳案内士一次筆記試験「通訳案内の実務」について
私は2021年度の全国通訳案内士(英語)試験に何とか合格することができました。ここでは、一次筆記試験科目のうち「通訳案内の実務」対策で私が準備したことをまとめておこうと思います。 まず、JNTOの全国通訳案内士試験ガイドラインには、「通訳案内の実務」について次のように記されています。 この科目は「原則として、観光庁研修のテキストを試験範囲とする」と明記されていますので、このテキストをしっかりと読み込むことが必要です。テキストは観光庁の通訳ガイド制度のページで公開されています。私は以下のPDFをダウンロードして、すみからすみまで何度も目を通しました。 観光庁研修テキスト(第1版)の構成 「はじめに」に近年の動向と全国通訳案内士への期待が綴られています。次に「目次」があります。大まかな構成を俯瞰できます。テキストの内容は以下の4つに大きく分かれています。 ちなみに観光庁研修テキストの内容は、二次口述試験にも必要です。「通訳案内の現場で必要となる知識等に関する外国語訳及び全国通訳案内士として求められる対応に関する質疑」(ガイドラインより)について適切な受け答えをすることが求められるからです。以下、章ごとの内容です。 第1編 旅程の管理に関する基礎的な項目・関係法令に関する基本的な知識 法律の文章は一字一句注意深くつくられていると思いますので、テキスト中に引用されている関連法案の条文は、暗記するくらい何度も読みました。テキストを読んだだけでは十分に理解できないところもあったので、通訳案内士法、旅行業法(e-Gov法令検索より)にも一通り目を通しました。 正直、通訳案内士はここまで添乗に関することなどを求められるのだろうか、とも思いましたが、きっと現場に出れば必要になるのだろうな〜と想像しながら読んでいました。 第2編 危機管理・災害発生時等における適切な対応 第3編 外国人ごとの生活文化への対応 資料編 通訳案内の実務は以上のテキストを出題範囲としているので、他の科目よりも勉強がしやすいと思います。私はこのPDFの資料と過去問題以外は使用しませんでした。ただ、範囲が限られているとはいえ、慣れない法令文書やまだ実際の経験がない現場での対応などについて問われるため、試験問題が簡単だとは思えませんでした。特に今回の試験は過去問題よりも難しい印象を持ちました。過去問題では常に基準点をクリアできていたのでちょっと油断していたのですが、試験後は自宅に戻って自己採点するまでこの科目が一番不安でした。結果はギリギリセーフでした。 観光庁研修テキストと関連する法令に目を通して、過去問題にあたり、またテキストに戻って確認するという作業を数回行いました。ガイドラインにそって勉強することと、今後の試験傾向に変化がないか時々観光庁のサイト等でチェックすることも必要かと思います。私の個人的な経験でしたが、これから受験を考えている方の少しでもお役に立てると嬉しいです。 お読みいただきありがとうございました。